初めての東北の雪山、新夷の風



撮影 : 新夷の風/山形
0128-0203 2024

重いものと寒い場所が苦手、と、顔の割にヌルいことを公言させてもらっていた自分がまさか、二十四節気・大寒の東北の雪山に立ち、カメラを構えているなんて想像すらしたことがなかった。

犬式・三宅洋平さんから連絡がきて「一番寒いときに、イチバン寒い場所に行こうかと思って」と言われて、来月発売予定のアルバムに収録されている”新夷の風 / 犬式”のPV撮影&取材で山形県東根市を訪れた(なぜ私なのか、という率直な思いと、やっぱり俺でしょ、という得体の知れない自信に満ち溢れて踊った。薄暗い我が家のリビングで、携帯片手に本気のムーンウォークかましたぜ)、とはいえ、寒い場所は苦手である。

19歳の初春に雪の残る富士の樹海で遭難したトラウマ(記憶)も鮮明に蘇り(これはこれで長い話になるのでここでは割愛する)、一生分のホッカイロをバックパックに詰め込み、万全の態勢で挑んだ。行きの道中では、出発の前日にぢゃんさん(会津若松出身)から言われた「そっか、東北の雪山に行くのか、死んでこい」という重い言葉がまるで黙示録の終末ラッパの音に重なり脳内で繰り返された。それから北上と共に、車窓の風景がゆっくりと灰色に変わり、日暮れと共に山形に到着した。その時、暗闇で一斉に遠吠えする狼犬の声が、終末ラッパの音を掻き消してくれた。覚悟がキマった瞬間だった。

”あらえびす”では衝撃の連続である。ここでそれらを文字に換えて綴ったところで、その真髄を伝えられる気はしない。私は私の言葉の限界を知り、絶望する代わりに未来に希望を抱いている。記録家として、言葉だけではなく、写真と映像でそれを表したいとも考えている。やけに小気味いい犬式の新曲「新夷の風」、その映像の中で、それを表すことが出来れば幸いで最高で光栄です。

冬の東北、緊張の雪山、美しい光、水を巡る冒険、魅惑のスキンヘッド、遠吠えする狼と血縁を越えた家族の在り方(動物を含む)、現代社会の違和感の行方、未来の新しい形、宇宙に存在するすべてのモノが互いに結びついているという真理の中で、私自身、新しい時代を生きているこの頃の”実感”がやけに嬉しい。

宇宙人と会ったのは、生まれて初めてな気もするが、初めてではない感触もある。それにしても山形は蕎麦もラーメンも美味かった。いつからか旅は、イマの自分に足りないモノを提示してくれるようになった。引き続き、

私は私の役割を全うする。


3月発売【新夷の風 / 犬式】
お耳逃しなく。よろしく。


@inushiki2017
@araebisu.araebisu

#新夷の風
#犬式
#今其処に在るときめきと恍惚

関係者の皆様、世話になりました。ありがとうございました、引き続き、ヨロシクお願いします。

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