新緑をまとう

 




朝、隣りの空き家の庭の伸びた雑草に陽が指す時とき。言葉にならない情景の美しさに胸を小躍りさせていると学校支度の済んだ息子がいつの間にか横に居て「きれいだねえ」と語りかけてくれた。そうだねえ、と返す。相変わらず父親としてロクなことは出来ていないが、いつも通りの同じ風景を見て、それを美しく思える感情や言葉を君が持っていることを嬉しく思う。「上、見てよ」と君がいう。いつの間にか、新緑をまとう柿の木様を見上げて、「これもいいよ」と教えてくれた。











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